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アトピー奮戦記 第1章つづき

それまでに皮膚科外来を担当させられた時に対症療法薬としてステロイドを患者さんに処方していた私です。
もちろん、アトピーの方の末路も知っています。
だんだん対症療法薬を強いものに変えていき最終的にこれ以上、強いステロイドがなくなればお手上げ。
患者さんは色んな病院を行脚し、結局患対症療法薬ではアトピーは治らず、掻きむしりながらがまんするという酷い状態。
(あああ、どうすれば…)私は頭をかかえました。
(今までの患者さん、ごめんなさい…)
ステロイドづけになった息子の姿が脳裏をよぎり、くたくたに疲れた妻の顔がまざまざと浮かびました。
それでも、それでも…息子の泣き声と掻きむしるしぐさに負けステロイドを塗ってしまいました。
ふがいない自分を責める俺。
自分の息子でぬかるみの世界に足を突っ込んでしまったという思いとこれまで平然と患者さんに対症療法薬としてステロイドを処方していたという事実。
なんてことを平気でやっていたのかと…泣きました。
アトピーの新しい治療法を探して私は必死で息子のアトピー治療法を探しました。
もちろん○○の水とか、無農薬野菜とか、肌にやさしい○○は試しまくりました。対症療法薬以外でいいと言われるものは全て。
そこには「効果がある」という明確な根拠などないにもかかわらず。

医者のプライドを、捨てました。

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