よくあるご質問

自費診療と保険診療

日本は昭和36年、結核が大流行したときに国民皆保険制度、つまり誰でも治療を受けられる制度として保険診療が始まりました。

今の日本の保険診療というのは基本的に対症療法で組み立てられているので原因療法、つまり根本的治療は基本的にはできません。根本治療をやろうとするとどうしても保険外、つまり自費になります。

でも皆さんが普段からテレビや新聞などで目にしているサプリメントなど、あれは自費です。保険はききません。その自己判断で選んだサプリメントを飲むか、ちゃんと検査して専門医師の指導の下で飲むか、というのはご自分で選ぶことができます。

また、保険診療を行っているドクターの多くがサプリメントや栄養素のことを知らないことが多いです。日本の医師免許修得の過程では、栄養についてほとんど学ばないからです。

保険診療を行っているドクターの多くはサプリメントについてはあまり聞くこともありませんし、患者様から質問されても明確な答えがないケースが多いと思います。

ヘルスケアと予防医学の違い

ヘルスケアというと、いわゆるヘルスケア産業というところがやっていて、芸能人がそれを飲んで元気になったとか、そういう話なんですが、予防医学というのはエビデンス、データに基づいてサプリメントを処方する、エビデンスのある予防処置治療を行うというアメリカ的な考え方です。

この栄養素を与えるとこういうことになる、これを予防できるということが分かっていて、また、これとこれは食べ合わせが悪いなどを理解して処方しているので一般の人がやるヘルスケアとは一線を画すことになります。

予防医学は「医学」です。専門的な知識を持つ予防医学の専門医が時には必要な検査の結果も踏まえて予防的処置を選択するものです。

免疫力とワクチンの関係

これは昔から言われていることですが、普段から免疫力を上げるためにバランスのいい食生活を送り、適度な運動をして、というのをよく聞かれると思いますが、この自分の免疫力を測ったことがある人はほとんどいません。

今コロナ禍で免疫力が下がっているときにウイルスに感染すると重症化するといわれていますが、その免疫力自体を測ったことがない人がほとんどです。実は免疫力は測れます。

免疫力を測るという検査が保険診療の項目に入っていないから自費になりますが、自費でもよければ測れます。というのも、予防には保険が適用されないからなのです。

皆さん、ワクチン接種をされていると思いますが、ワクチンを打つと抗体価といってコロナウイルスに対抗する抗体の値が一時的に増えます。ただ半年もするとどんどん減少して元に戻るといわれているのはご存じだと思います。

免疫力が高い状態を保っていれば基本的にワクチンで抗体価を上げなくても自分の免疫力でコロナウイルスに対抗するので、コロナウイルスに感染しにくい、感染しても重篤化しないと言えます。

事実、コロナウイルスに感染しない人もいれば、何度もワクチン接種しているにも関わらず、コロナウイルスに感染している人もいます。だからまず自分の免疫力というのを測ってもらい、その結果、免疫力が高ければワクチン接種しなくてもいいとは言いませんが、免疫力が高ければコロナウイルスに感染するリスクが低くなるといえます。

ただ、免疫力が低ければ、免疫力を上げる必要があります。それは食事や運動などの生活習慣だけではなく、当クリニックでは高濃度ビタミンⅭ点滴をしたり、NK細胞を培養して戻したりいろいろな方法がありますのでご相談ください。

がんの検査

一般的に知られているがんの検査は腫瘍マーカーという血液検査ですが、これはスクリーニングにすらなりにくい検査です。もう少し高度な検査となると画像診断ということになり、これも一般的に知られているPET検査です。PET検査は市場に出てきて10年程度でどんどん性能は上がってきていますが、がんが最低直径5ミリから1センチくらいの大きさがないと映りません。

人間が生きている限り繰り返す細胞分裂の際に毎日5000個ほどのエラー細胞ができます。これががん細胞でそのエラー細胞をNK細胞という免疫細胞が5000個全部食べてくれます。なので、がん細胞が増えないということになっているのですが、このNK細胞の活性が弱かったり、エラー細胞が5000個以上できる状態、つまり、プログラムが故障してコピーがうまくできない状況、がん抑制遺伝子という遺伝子の働きが弱まった状況になるとエラー細胞が1万個、2万個とたくさんできてしまうので、免疫細胞の働きが強くてもすべて食べきれなくなります。

では、そのがん細胞の数を計る方法はというと、CTC検査という血液中のがんの細胞の数を測る検査があります。つまりPET検査よりも早くがんを超早期に発見できる検査です。採血するだけです。

CTC検査というのは採血した血液中にがん細胞がいくつあるのかというものです。

毎日がん細胞ができては食べられ、できては食べられという状態なのでゼロの人はいません。一応CTCの値が5以下だと安全といわれていて、10,20になるとどこかに必ずがんがあるので、そういう時はPET検査で徹底的に探します。その際は放射線量を上げて検査をすることもあります。普通の人間ドックのPET検査は線量を低く抑えていますが、CTCの値が10も20もあれば必ずがんがあるので、PET撮影による放射線のリスクより、がんを探すことの方を優先します。その場合、放射線量を上げてPET検査を受けてもらったりということをする場合もあります。このような処置は普通の人にはしませんので、どこの検査施設を見ても書いていません。

それは医師ががんがあるということが分かったうえで探す必要があるからできることで、当クリニックではその検査ような連携も持っています。

老化について

院長が日本抗加齢医学会立ち上げにかかわったのは1999年から2000年でした。

その時から老化は一種の病気ではないかといわれていました。血中成長ホルモンの値が100以下だと老化という病気だと診断されて老化の治療に保険がきくという国がありました。それはフランスです。もちろん今でもフランスでは老化は病気だという認識で治療をしています。老化を一つの自然現象ととらえるのではなく、老化を一つの病気だとしてとらえる。では、その老化という病気は何なのか。この本質は正直まだわかっていないことが多々あります。例えば、細胞を成長させる成長因子が減少するのではないか、どんな細胞にも分裂できる幹細胞がどんどん減るからじゃないか、活性酸素が体を錆びさせるのが老化だ、血行が悪くなって、血液が各臓器に運ばれないので各臓器の機能が落ちる、これが老化の正体だ!であったり、老化抑制遺伝子に傷がついて老化が加速するのではないか、など諸説あり、結論は出ていません。

一つ言えるのは、この5年くらいアメリカなどの論文を見ても老化現象は全て病気の一種だととらえられており、治療が可能だということで統一されています。

ただし、老化を治療するということは永遠に死なないのか、というとそうではありません。人間はいつか死にます。しかし、老化で死ぬか、ほかのことで死ぬかはわからないということです。

昔は老衰で亡くなった方が多かったんですが、実は違う病気で亡くなっていたかもしれません。そこまで調べる技術がなかった時代のことです。
つまり、病気の一種だけれど本当に老化で亡くなるのかはわからない、でも人間は今のままだといつか必ず死にます。

哲学的、倫理的な要素を含んでいるため、これからも老化についていうのはどんどん議論を尽くされ、論文も発表されていくと思います。
今を生きる我々はそれが解明される前に死んでいくことになるといえそうです。

体質の底上げ

体をいい状態に持っていく、というのが体質の底上げ治療です。

治癒能力の高い状態に持っていく、病気になりにくい状態に持っていくことで平たく言うと若い時の肉体を作ることだと思っています。ただし、若くても病気になる人もいるし、若くてもアトピーで苦しんでいる人もいるわけですから、単純に年齢を重ねた体を若返らせるということとは少し違います。

お年寄りと若い人が同じ程度のケガをした場合、若い人のほうが早く治ります。しかし、お年寄りのほうが老化しているからなかなか治らないのは当たり前というのは古い考え方で、どうして若かったらケガの治りが早いのか、ということが現在、科学されています。

別の言い方をすると、薬を使わなくても正常な状態を保てるような身体を作るというようにも言えます。例えば、血圧を下げる薬とコレステロール値を下げる薬を飲んで正常値を保てる人と薬を飲まずに正常値の人、後者の人を健康で、薬を飲んでいて正常値を保てる人は健康ではないとも考えています。体重を減らしたり、食生活を改善したり、様々なことをして、薬を使わなくてもよくなるということは体質を底上げした、ということになりますが、それは生活レベルの話で、医療として取り組む場合、様々なデータなどを元に、点滴や栄養療法も加えて治療方針を立てて指導し、がんになりにくい体、がんが再発しない体、脳梗塞・心筋梗塞を起こしにくい体、アトピーでもステロイドを使用しなくてもいい体、コレステロールの薬を飲まなくてもいい体にしていくのが体質の底上げ治療だと考えています。

また、ニキビや発毛治療でも言えることですが、塗っている薬は同じなのに肌や頭皮に体力がないため、薬が効かなかったりします。なので肌、頭皮の体力を上げて、そこに対症療法の薬を使用することでよく効くようになります。要するに体質を底上げしたら薬を減らすことができる、肌体力、頭皮体力を上げたら今までの薬がよく効くようになる、ということです。

自覚症状のない動脈硬化の進行度を知るには

血行が悪い、免疫力が低い、とおっしゃる方がよくいらっしゃるんですが、その度合いを数値化して測ったことのある方はほとんどいないと思います。自費ですが、どちらも測ることができます。

免疫力が測れるのと同じように、体の中にたまっている有害物質の量、血管の劣化度、脳梗塞・心筋梗塞のリスク(脳梗塞・心筋梗塞にどれだけ近づいているか)など全部検査で測ることはできます。

当クリニックではアンチエイジングに取り組んでおり、脳梗塞・心筋梗塞の予防、もしくは再発予防、がんの予防、再発予防をする際に、物差しになるデータをもとに指導を行います。

どのくらい動脈硬化が進んでいるのか、年齢だけではなく、喫煙習慣の有無、などで血管が痛んでいる度合いは随分変わってきますし、本人が生まれ持って血管が強い人もいたりします。このような血管の性質を数値化します。

もともとこれだけ動脈硬化が進んでいた血管がキレーション点滴を10回したことでこれだけ改善が見られた、というのも数字で示すことができます。

なぜこのような検査が必要なのかと言いますと、免疫力も動脈硬化、血行、有害物質、すべて自覚症状がないからです。

自覚症状がないから、数字でどのくらいリスクが下がったのかなどをしっかりと示さないと治療を受けられているご本人も納得できません。当クリニックでは根拠のない思い込みでの治療はしません。

自分のリスクを正しく知るための検査があります。