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アトピー奮戦記 第3章

第3章 クリフ先生との出会い

息子が2歳になってしばらくして、私はアメリカへ点滴療法を勉強しに行きました。
FDA(アメリカ食品医薬品局)という日本でいう厚生労働省のような機関の上層部にいるクリフ先生のところに弟子入りしたのです。
私のお師匠さんドクタークリフエリントンの得意技はアレルギー、もっぱらアトピーなどの皮膚症状を治療でした。風体は身長2メートル、は言い過ぎだが、とにかくでかい黒人の怖そうな医師。
普段はNYにいるようだが、春休みだか何だかで、ハワイの別荘にいる、との情報入手。
情報元は僕のお姉さん的存在のミアさん、年齢不詳、ハワイのクリフ先生を友人から紹介してもらったと言っていたが、この人も正体不明のシークレットサービス付きで日本に来る人。なんでぼくがかわいがられているのかいまだに不明。

向こうでは、皮膚科は大変難しい科だと言われています。
「皮膚は全身状態を映し出す鏡のような臓器だ」とよくおっしゃっていました。
つまり、体内環境が悪いとその症状が皮膚に出る、という考え方ですので、相当いろんなことを知ってないとできない科ということだそうです。
また、アメリカでは日本みたいに対症療法薬をすぐに処方する、ということをすると保険制度が違うので、治療費用が滅茶苦茶高くなります
そんな理由もあって、体の中の状態を検査してリスクを探し、そのリスクに対して体質の底上げ治療をする、ということで皮膚症状を緩和する…。

まさにこれちゃうん?俺の探していた治療法って!!!

当時は日本では見たことも聞いたこともないような点滴や、どの点滴をどういう頻度でするのかなどの治療方針を決定するのに必要な検査などを勉強しに行っていたのですが、あまりにも知らないことばかりで驚きの連続でした。

後にわかったのですが、僕の体内環境で一番問題なのは有害物の蓄積量が異常なほど多すぎるというもの。

そもそも検査も日本にいたころにはやったことない検査ばかり。
ウンチを取って腸内フローラ の量を調べるとか(今では普通に自費で検査できるけど、当時は全くなかった)、末梢血流 (皮膚や指先などの末端部分の血流のこと)がどうかを図る検査とか、スローフードアレルギー(急に起こる食物アレルギーは急性アレルギーと言って、例えば卵を食べたら直後に体中ぶつぶつが出る、小麦を食べたらぶつぶつが出るなどのアレルギーは急性アレルギーといいます。

皆さんがご存じの食物アレルギーがこの急性アレルギー。

対してスローフードアレルギーというのは食べてすぐに反応が出るアレルギーとは違って、長年自分の好きなものばかり食べていると起こるアレルギーのこと。あまり聞いたことがないかもしれませんが、例えばお肉が好きでお肉ばかり食べている人がある日突然お肉を食べるとアナフィラキシーショックになる、全身の湿疹が出るといったもので最近注目されているアレルギーの一種です)とか…

私の体内にたまった有害物の量を測る検査、これは髪の毛を取って分析する検査なのですが、この毛髪検査の結果は悲惨といっていいほど、悪いものでした。
水銀や砒素などの有害ミネラルと言われるものが溜まりすぎるくらい溜まっていて、普通に生活しているのが不思議とまで言われました。
もちろん当の本人はなにか特別な症状で悩んでいたわけではありませんでしたので、まったく自覚がありませんでした。
有害ミネラルに蓄積には諸説ありますが、一般的なのはやはり環境汚染説、に加えて有害ミネラル排泄能の低下(なぜ低下するのか未だにわかってない)。

とにかく自覚症状なんて全くなかったので、自分が水銀中毒と言われても全く寝耳に水。

しかしこの結果が息子のアトピーにつながっていたのです。
私には何も症状がなかったのですが、息子が大変なアトピーでした。
その理由はもしかして…水銀中毒なのではないのか。息子まで…。

そこで、とにかく自分でもキレーション点滴(解毒作用のある点滴のこと)を経験してみようということで解毒剤を初めて点滴してもらった日。In HAWAII

忘れもしませんが、私は結構お酒を飲めるほうだったのですが、バドワイザーを一本飲んだだけで立てなくなるという、考えられない事態になりました。
とにかくしんどかった。
しかし、その点滴を毎日していると、4、5日目にはずいぶんと体が楽になってきて、当時好きだったジョギングのタイムも距離もどんどん上がっていき、「なんじゃこれ!!」と驚きを感じたのを覚えています。

つづく

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