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日本は健康大国?世界一の長寿と健康寿命の裏に隠された真実

 

皆さんは、日本が「健康大国」だと思いますか? 

日本が「世界一の長寿」としての地位を不動のものにしている背景には、食生活の変化や医療技術の著しい発展、さらに今回のコロナに見る、医療制度の充実ぶりが、大きく関わっているといえるでしょう。つまり国民皆保険ということです。

また、美味しくて健康にもよいとの理由で、「日本食」ブームが世界的に過熱していることからもわかるとおり、皆さんを含めた多くの日本人にとって、日本という国は健康的なイメージがありますよね。

しかしその一方、サプリメントに頼った生活をしている人が多いのも事実です。ここでは「日本=健康」に反するデータが数多くある、という話をしましょう。

 

「日本の平均寿命は世界一!」という事実は、皆さんもご存じだと思います。日本人女性の平均寿命は約89歳で世界一、男性は約81歳で2位(1位は約82歳のサンマリノ)。男女平均では世界一で、特に女性に関しては、20年以上もの間、世界一の座を守り続けています。

健康寿命(健康で自立して生活できる年齢)に関しても、日本は1位です。日本は名実共に、世界で最も長寿かつ、健康的に長生きできる国であることが、データからもわかります。

これは、食生活の充実や国民健康保険制度などを、戦後、早くから導入したおかげでもあります。国民が、より低価格で高度の医療を受けられる環境が整っているのです。

 

一方、世界一の経済大国、アメリカの平均寿命は約78歳(世界26位)とそれほど高くなく、健康寿命に関しても24位と、こちらも高くありません。

この理由としては、日本と違って健康保険制度加入が義務化されていないため、特に貧困層の人たちが日本のように気軽に病院に行けない事情も影響しているでしょう。

このほかにも様々な事情はありますが、少なくとも現時点において、日本は平均寿命・健康寿命共に世界一を維持しているのが事実です。

 

「ワクチン後進国」日本

また、昨今のコロナ感染予防等においても議論されてきたワクチンについてです。

皆さんは、「VPD」という言葉を耳にしたことがありますか?「VPD」とは、“ワクチンで防げる病気”のことです。

 ■ワクチンで防げる主な病気

麻しん(はしか)、おたふくかぜ、結核、ジフテリア、みずぼうそう、日本脳炎、破傷風、百日せき、風しん、ポリオ、肺炎球菌感染症、Hib-ヒブ‐感染症、ロタウィルス胃腸炎、A型肝炎、B型肝炎、黄熱病、狂犬病、子宮頸がん(?)、インフルエンザ

(参考:感染症情報センター)

 

そしてコロナパンデミック、、、、、、、、

皆さんも子供の頃、実際に予防接種を受けた経験があるのではないでしょうか。

この予防接種に関して、こんなデータがあります。

 

OECDヘルスデータによると、日本での65歳以上の高齢者を対象にしたインフルエンザ・ワクチン接種率は43%(OECD20か国中17位)です。これは、1位のオランダ(79%)や6位アメリカ(66%)と比べてもかなり低いことがわかります。

また、他の国では接種できて、日本では接種できないワクチン(Hib-ヒブ-ワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンなど)も多くあります。先進医療国であるはずの日本の“もうひとつの現実”が、ここにもあるのです。

 

日本は欧米などに比べ、VPDにかかって多くの子供たちが健康を害し、重い後遺症に苦しんだり、命を落としています。例えば、2001年に麻しんが流行したときには、約30万人がかかり、およそ80人の死者が出たといわれているのです。

また、2007、2008年にも同じように流行しているこの麻しん、実は欧米などの先進国はもちろん、南アメリカでもすでに“撲滅”された病気です。現在流行しているのは、日本を含めたアジアやアフリカなどの発展途上国が中心なんですね。

これらもまた、ワクチンを子供のころにきちんと予防接種していないことが大きな原因です。ワクチンを受けない、もしくは受けられないことで、今も多くの子供たちがVPDにかかっています。これは、早急に改善しなくてはならない問題といえるでしょう。

次回は、日本が欧米諸国に比べ、“決定的に遅れている”ポイントを紹介していきたいと思います。

お楽しみに!

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