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アトピー性皮膚炎はカラダの中から改善?!

アトピー性皮膚炎に効く原因療法1 「キレーション治療」

血管掃除

キレーションとは、体に溜まった毒(主に水銀や鉛と、血管内に形成されたプラークと呼ばれるごみのかたまり)を洗い流した後、プラークができないようにする治療のこと。特別に調整されたビタミンやアミノ酸など、静脈点滴キレート剤を体内に注入することで治療します。キレーションは、原因療法の中でも最も基本的な治療法なのです。

なぜこの治療法がアトピーに効くのか?

最近の研究によると、アトピーの原因として「有害ミネラル、特に砒素や水銀の体内蓄積」が大きく影響していると考えられています。

 

有害ミネラルによる影響

有害ミネラルを含めた重金属(水銀・鉛など)は、食べ物や飲料水や化学肥料、煙草のけむり、排気ガスなどに含まれています。普段、私たちが生活していく上で大きく影響する、これらの外的要因によって本当に少しずつ体内に取り込まれていきます。これが完全に排泄されず、少しずつ体内に蓄積していくことで、アトピーをはじめ、様々な疾患を引き起こすのです。

わたしが子供のころにはハナタレ小僧はいっぱい周りにもいましたが、アトピーらしい子供は今ほど多くありませんでした。産業が活発になって公害が多くなり、日本は高度成長と同時に環境汚染病”アトピー・アレルギー“を併発したのではないかと思っています。このことは世界中で言えるかもしれません。

アトピーは免疫異常があって、その症状を皮膚に表すものであります。皮膚は症状が出ているところで、本当に治さねばならないのは体内環境です。アトピーの原因は未だにはっきりわかっていませんが、ヒ素や水銀などの有害物中毒では皮膚障害を起すことがわかっています。

私は、極端に言えば、アトピーは有害ミネラル中毒がなんらかの原因となって、皮膚に障害を起こしているので、それを除去すれば症状は軽快する、そこに大量のアミノ酸、ビタミンミネラルを補充してやれば皮膚はバリアーを形成しやすくなり、結果、症状はステロイドを使わなくても治せる可能性がじゅうぶんあると考えています。

キレーションの話に戻りますが、キレーション点滴で体内にキレート剤を注入すると、重金属を含めた体の中に含まれる有毒物を、尿や汗とともに排出します。さらに、コレステロール等の代謝機能を調整したり、皮膚への血行改善にもつながるのです。ステロイド剤に依存しない体質に変える治療は、私のクリニックでも実践し、高い治療効果を得ています。

 

キレーション治療は、ほかにも次のような治療効果があります。

・蓄積した老廃物を洗い流すことで、老化を予防する(アンチエイジング医療)

・血管内のごみを洗い流すことで、各臓器への血流が増大し、臓器機能の改善が期待できる。心筋梗塞脳梗塞の予防治療

・肌への血流も向上するため、発毛効果や角質代謝が良くなり吹き出物やくすみ、クマ等を改善

・動脈硬化、糖尿病合併症の予防、改善

・眼科疾患、神経症疾患、メタボ治療

 

アトピー性皮膚炎に効く原因療法2 「プラセンタ」というスーパーアミノ酸

 

プラセンタ

プラセンタ(胎盤)は、胎盤から細胞分裂を促進する成長因子や、ほかの栄養素を抽出した成分のことをいいます。妊婦のおなかのなかにある胎盤は、母体から栄養や酸素などを取り出して0.1mmほどの受精卵である赤ちゃんに送る機能があります。さらに、赤ちゃんの細胞分裂をおこなうための成長因子を作り出し、赤ちゃんに送る機能もあるのです。

研究の結果、赤ちゃんを3kg程度にまで育て上げる、微量元素の塊である臓器が胎盤であり、身体の働きを赤ちゃんの状態に近づけようとする薬理作用があることが判明しています。

また、プラセンタには以下のような栄養成分が豊富にあります。

 

ヒトプラセンタの栄養成分

・アミノ酸、ビタミン、ミネラル・酵素類などを多量に含む

・成長因子、サイトカインを多量に含む

・VEGF(Vascular endothelial growth Factor)を多量に含み、血管新生を促す

・抗酸化作用 抗炎症作用

 

研究結果からも、胎盤には、たくさんの栄養が含まれていることがわかりました。そこで、人の胎盤から有効成分だけを抽出したプラセンタ(胎盤エキス)を定期的に注射することで、新陳代謝を活発にし、自然治癒力を高めていくことができます。

なお、主な臨床例から確認された、プラセンタの効果が以下です。

 

・血行、代謝の促進、増血作用

・肌状態の改善(シミ・しわ・ニキビなど)、頭髪発毛効果

・アレルギー体質の改善

・創傷の治癒促進

・肝機能強化、肝炎の改善

・自律神経系の調節

・内分泌系の調節、胃潰瘍の改善

・タンパク質の同化

・疲労改善、熟睡

・更年期障害の改善、乳腺発育の促進

 

また、私のクリニックでは、ベースとなるプラセンタエキスに、一人一人の患者さんの症状に見合った薬をミックスすることも可能です。これを投与することで、より患者さんに適した治療を行うことができます。

そのほか、アトピー患者の方のための化粧品やスキンケア用品を独自に開発し紹介しています。世に出回っている化粧品は数多くありますが、その中から自分の肌に合うものをみつけることができず、悩まれているアトピー患者の方も多くいらっしゃいます。特に女性の方であればきちんとお化粧をして日々、美しくありたいと誰もが思いますよね。

私のクリニックでは、医学的な観点から、まず患者一人一人の症状や肌の性質等をパッチテストなどの検査によって細かく把握します。そして、検査結果から導き出された、その方に最も適した成分を配合した化粧品を独自に調合し、お出ししています。

具体的には防腐剤を一切含まず、医療用原料で市販の化粧品にはない高濃度のものを作ります。「オーダーメイド」によって処方することで、アトピーの方でもお化粧を楽しめるようになったと喜んでいただいています。

 

 

高島クリニックでのアトピー治療事例 その1

私のクリニックでは、開業以来、多くのアトピー患者の方たちを診察・治療してきました。そこで、具体的な治療事例を2つ、ご紹介したいと思います。

一人目は、22歳の女子学生。幼いころからアトピーや小児ぜんそくに悩まされ続けていました。IgE値は2400です。当院に来られた時には「1群(ストロング)」に属する最も薬効の強いステロイド剤を服用されていましたが、それも徐々に効かなくなっていました。この段階ですでにステロイドで症状を抑えられない、困難な状況にあったわけです。

そこで私が治療法として選んだのは、先ほどご紹介したキレーション治療、そしてビタミン剤や食事による栄養療法と外用保湿剤を使用するものです。1週間に1度、キレーションによる点滴を打ちながら栄養療法を続けた結果、1か月後には服用していたステロイド剤の種類を1群から4群、さらにその1ヶ月後には最も薬効の弱い5群にさがりました。そして治療開始から半年後、ステロイドから完全に離脱することに成功したのです。その後は、保湿剤を使用するだけです。

 

高島クリニックでのアトピー治療事例 その2

続いて35歳の男性のケースを紹介しましょう。この方は社会人になってからアトピーを発症しました。学生時代に比べ、社会人になって極度の運動不足に。さらに一人暮らしによる生活習慣の悪化によってアトピーになったのかもしれません。

そこでステロイド剤を服用していましたが、顔、首、体全体にアトピー独特の赤みを帯びた乾燥した皮膚、そしてそれをかきむしった後の掻き傷T色素沈着などが目立ちます。

この方に対する治療として、アトピー患者の多くに有効と考えられているビタミン、ミネラル、アミノ酸の大量補給、ならびに免疫系を整えるため、サイトカインなどを投与する方法に決めました。さらに、ステロイドフリーの保湿剤の外用も追加しました。

はじめは週1回の通院で点滴治療を続けることになりましたが、それから2か月経たない時点で少しずつ効果が表れ始めました。そこで通院間隔を10日に1回、さらに改善してくると3週間に1回、そして1か月、1か月半、とあけていくことに。

その後、たびたび症状が悪化して活性酸素を除去する点滴などで対処しましたが、ステロイドを使用することなく2年経過しています。

 

アトピー治療で大事なこととは?

アトピー治療で大事なのは、治療が進んで症状が消えかけた時。症状が消えてしまうと多くの場合、それで治ったということで片づけてしまい、再発したらまた一から治療をやり直すことになってしまいます。アトピーは環境問題による影響が大きいといわれているため、何もしなければ悪化してしまう可能性が高いのです。

そこで、再発予防が必要になってくるわけですが、その手段が間違っているケースが多いのも現状です。不必要なサプリを飲んだり、健康産業に手を出したり……。激しい運動を急に始めると症状が戻ることもあり、生活全般のご相談をお受けしながら私のクリニックでは再発予防をしています。その他、活性酸素の問題など、人の体は複雑で一口ですべてを語ることができません。ですから、お一人ずつ違う治療方法を取っています。
デリケートなさじ加減で離脱へのサポートをする……それが医者の務めだと私は思います。

 

次回の記事では、メタボリック症候群、そしてガンの原因療法についてご紹介していきたいと思います。

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