さて今週は、メタボリック症候群、そしてガンの原因療法についてご紹介していきます。
メタボリック症候群といっても具体的な症状はいくつかあります。高血圧であったり、コレステロールの増加によって引き起こす心筋梗塞や脳梗塞なども、その典型的な一例です。
最初は「最近、ちょっと太ったかしら?」程度の“軽い危機感”をもつことは、誰でもあると思います。しかし、それが知らず知らずのうちに「危険領域」に足を踏み込んでしまい、重大な病気を引き起こして初めて、事の重大さに気づくことも少なくありません。
できれば、そうなる前の段階で食い止めたいもの。そのために「原因療法」は、大きな効果を発揮するのです。
そこで、当医院で基礎代謝向上、血流向上をもたらすキレーション治療を受けた患者の症状および治療経過報告をいくつか、紹介したいと思います。
例1 44歳男性
≪症状と治療≫
高血圧のため、一般内科にて対症療法による内服薬治療を続けている
アダラート2錠・セロソン2錠 1日2回昼・夜内服
⇒キレーション療法を15回実施
〇経過
H14年8月1日 血圧168/98
9月1日 血圧124/74
10月1日 血圧124/88(アダラート1錠のみ内服に、服用量が減少)
例2 62歳女性
≪症状と治療≫
高脂血症・高コレステロールのため、一般内科にて対症療法による内服薬治療を続けている
メバチロン2錠服用中
⇒キレーション15回実施
〇経過
H13年12月1日 T-CH(コレステロール値) 297
H14年7月17日 299(その後キレーション11回)
H14年9月25日 226(その後キレーション4回)
H14年10月5日 238
例3 65歳男性
≪症状と治療≫
長年の痛風発作と高血圧のため、多数の降圧剤と尿酸排泄剤、痛み止めの内服が20年になる。
しかし内服量がどんどん増えている
⇒キレーション30回実施
〇経過
尿酸値正常化、内服ザイロリック2錠から1錠へ、また血圧4種類の内服から1種類1錠に減量。毎年冬の痛風発作から解放される。
例4 64歳女性
≪症状と治療≫
OMI心筋梗塞の既往 降圧剤と抗凝固剤に加え、高コレステロールに対する内服薬を服用。
積極的な心筋梗塞の再発防止のための治療を望んで当医院に来院。
⇒2週間に一度キレーション・プラセンタなど投与
〇経過
予防的な内服薬は継続しているが、高コレステロール、降圧剤は中止しサプリを処方。ゴルフにも行けるようになるほど回復
がんの主な治療方法は、放射線治療や抗がん剤の投与、もしくは直接手術することでがん細胞を除去することです。しかし、放射線や抗がん剤の使用は、強い副作用による悪影響が常につきまといます。手術によって、がんにかかっている内臓を全切除する場合も同様です。がんを取り除けたとしても、その後の日常生活に大きなハンデを伴うことにもなります。
日本人の死亡率No.1である「がん」。この病気に対してどう向き合っていくのか、非常に重要なテーマになっています。
実は、多くの皆さんが知らないところで、従来とは全く違う治療法が存在するのです。すでに、医療先進国のアメリカでは、数々の成果を出しています。
そのひとつが、原因療法のひとつである超高濃度ビタミンC点滴です。
ビタミンCは誰もが知っている有名なビタミンのひとつ。これを普段、私たちは食物や薬、サプリメント等により、口から栄養を摂取しています。しかし、口から摂取する場合、実際に栄養素を取り込む消化器官でかなりエネルギーロスを引き起こすのです。それほど高い栄養を摂取できていないことは、あまり知られていません。
そこで、患者の症状に合わせて、口からは到底摂取不可能な量のビタミンCを、血中へ直接投与する点駅療法で高い治療効果を発揮します。
この方法は、最近特に注目されており、マスコミなどにも頻繁に取り上げられるようになりました。われわれ点滴療法研究会では(柳澤厚生先生が会長を務める。私はボードメンバーをさせていただいております)、アメリカで取られたエビデンス(治療効果に関するデータ)をもとに、キレーション点滴同様、高濃度ビタミンC点滴療法を日本中の医師にこの方法を広める活動を行っています。
ノーベル賞を2回受賞した科学者、ライナス・ポーリング博士がおよそ40年前に提唱した「ビタミンC」の可能性が2005年、アメリカで再び注目されたことで広く知られるようになってきました。
その効果とは、以下の表にあるように、通常では絶対に取り入れることのできない超高濃度のビタミンC(通常の1日最低必要量が60mgに対して、15~60g)を点滴によって直接、血中に投与することで正常値と比べ、がんなどさまざまな症状に対して驚くべき効果を発揮します。
ビタミンCの血中濃度と作用
正常値 0.6~1.7mg/dl
抗ウィルス効果 10~15mg/dl
抗アレルギー効果 88mg/dl
抗がん作用 300mg/dl
レモンやオレンジなど、身近にある様々な食物や飲料に広く含有されているビタミンCは、それ自体ががんに対して効果を持つわけではありません。
では、なぜビタミンCが、がんに対して高い効果を発揮するのか、皆さんはご存知でしょうか。
その理由を、簡単にご説明しましょう。
高濃度のビタミンCが点滴によって血中に投与されると、静脈を通って体内に運ばれ、やがてその先の毛細血管から染み出します。
そして、染み出したビタミンCは、外に出ることで酸化し、その過程で「過酸化水素」を発生させます。その過酸化水素は、がん細胞に対してのみ攻撃を起こし、やがて殺傷させてしまうのです。
アメリカでは現在、1万人の医師が超高濃度ビタミンC点滴法によってがん患者を治療しています。その数は、今も増え続けているのです。
日本でも、この治療を始める医院やクリニックが、少しずつですが、増えています。さらに増えれば、がんで苦しむ方も少なくなるでしょう。
■高濃度ビタミンC点滴療法あれこれ
先ほどご紹介した高濃度ビタミンC療法。アメリカでは、1万人の医師が実践している最先端がん治療のひとつとして、注目を集めています。
この高濃度ビタミンC療法について、さらに詳しく紹介したいと思います。
①.高濃度ビタミンCが効果のあるがんとは?
これまでに有効との報告がされているがんには、乳がん・肺がん・肝臓がん・前立腺がん・すい臓がん・大腸がんなどがあります。ただし、まだ確立された治療法ではなく個人差もあるため、絶対に効果があるとはいいきれないのが現状です。
②.高濃度ビタミンCによる副作用は本当にない?
現在までのところ、特に目立った副作用は報告されていません。一部で「ビタミンCが分解されたときにできるシュウ酸が、尿路結石の原因になるのでは?」という意見もあるのですが、こちらも今のところ明確な因果関係は確認されていません。
③.高濃度ビタミンC療法の治療費は?
日本では、1回の点滴でかかる費用は約1-2万円程度の施設が多いと思います。当院ではおよそ週1回程度の通院の患者様が多いですが、点滴濃度や通院頻度は患者様の病状や状態により変わります。
従来から存在する「対症療法」と、予防医学にとって重要なキーワードになる「原因療法」。それぞれの違いや特徴について、知らないことも多かったのではないでしょうか。
「よし! これからは原因療法を積極的に取り入れて、健康な体作りを目指すぞ!」
このように思っていただいた方も多いかもしれません。
しかし、ここで改めてお伝えしたいのは、決して「対症療法=悪」「原因療法=善」ということではないことです。
大事なことは、対症療法の治療がすべてではなく、ちゃんとしたエビデンス(医学的根拠)を持つ体質改善の治療、つまり原因療法という治療もあるんだという正しい情報の開示と、両者のメリットを組み合わせながら治療するということ。個人個人の症状や体質、または生活スタイルにとってベストな治療を、医療側は今後、積極的に提供していくべきであり、患者側もまた、知っていく必要があるということが重要なのです。
そして予防医学の理念である、「病気になる前に積極的な健康維持に努める」行為を忘れないでください。先にご紹介した原因療法を活用することで健康な体を維持しましょう。
次回の更新もお楽しみに!