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トクホ?機能性食品?栄養成分?サプリメントの種類

 

サプリメントには多くの種類がありますが、その分類方法としては主に2つあります。

ひとつは、「保健機能食品」と「一般食品」による分類。「保健機能食品」とは、健康維持を目的に科学的な根拠に基づいて厚生労働省が定めた条件を満たした食品です。その中でさらに、3つに分類されます。

そのうちの一つがここ数年、耳にする機会が多くなった「トクホ」と呼ばれる「特定保健用食品」です。メタボ対策で血中のコレステロール値を下げる効果を持った飲料など、健康維持に有効な成分が含まれている食品で、しかも製品ごとに厳密な臨床試験が行われたうえ、その有効性や安全性について一定の基準を満たしたものが、厚生労働省によって許可されたものを指します。

他には「条件付き特定保健用食品」といって、トクホに準じる有効性が確認されたもの、そして「栄養機能食品」といって、日常の食事では不足してしまう栄養素を補うもので、厚生労働省規格基準を満たす商品のことを指します。ちなみに厚生労働省により基準が定められている栄養素は、ビタミン12種類、ミネラル5種類になります。

 

栄養機能食品として表示できる栄養成分

 

ミネラル類  カルシウム、亜鉛、銅、マグネシウム、鉄

ビタミン類  ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸

 

サプリメントの分類方法には、中身の原料や栄養素のタイプ別の部類があります。

このように、サプリメントには多くの種類があり、いくつかの分類に区分することができるのです。

 

ここで重要なのは、「自分にとって正しいサプリメントを摂取する」ということ。

 

サプリメント商品自体が悪くなくても、あなたには必要ないものかもしれない。

先ほども触れたことですが、ただ適当に選んだサプリメントを摂取すれば、健康になれるわけではありません。自分にとって正しいサプリメントを知るために、サプリメントに対する知識を深めていく必要があります。

 

薬を飲む前に要注意! 飲み合わせの悪いサプリメントとは?

 

病院に行って薬をもらうとき、当然医者なり薬剤師の専門的な知識と判断によって、薬の種類や服用量など、定められたものを処方されます。だからこそ、患者は安心して薬を正しく服用することができます。

その一方、サプリメントに関しては、薬のように専門家に処方してもらうわけではなく、摂取するかどうかはあくまで「個人の判断」にゆだねられているのが現状です。正しい知識もなく、ただやみくもに摂り続けている方も多いのではないでしょうか。そのため、効果が期待できないだけではなく、「医薬品との飲み合わせ」が大きな問題になっています。そして日本ではこのサプリメントや栄養について、専門的な知識を持つ先生もほとんどいません。

そのため、皆さんのご近所の病院やクリニックではサプリメントについて特に勧められることもあまり経験しないのではないでしょうか。

皆さんの中には、持病を抱え、定期的に服用している薬がある方もいるでしょう。しかし、世の中に多く出回るサプリメントには、薬との飲み合わせ次第で、本来健康になるはずが逆にさまざまな悪影響やほかの病気を併発させてしまうことがあるのです。

 

間違った組み合わせ事例1

 

サプリメント・・・イチョウ葉エキス

医薬品・・・抗凝固剤(血栓防止薬)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・出血傾向が強まる

 

イチョウ葉は、血流を改善し、脳内に血液を多く供給する働きがあることで知られています。脳梗塞の予防や、記憶力の向上、痴ほう症の改善など、特に脳内の疾患や健康の不安がある方は、イチョウ葉エキスを活用したサプリメントを摂取することも多いと思います。

しかしその一方、イチョウ葉には「抗血小板作用」とよばれる、血が固まるのを妨げる効果・働きがあります。そのため、血栓防止薬などを合わせて服用している場合、傷口などからの出血が止まりにくい状態になることもあるといわれているのです。

欧州では、イチョウ葉は「医薬品」として使用されており、その服用には細心の注意がはらわれています。逆に日本では、サプリメントとして扱われていることから、使用する本人がまず、こうした事実を把握しておかなくてはなりません。

 

 

間違った組み合わせ事例2

 

サプリメント・・・ニンニクエキス

医薬品・・・抗ウィルス剤(サキナビル)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・抗ウィルス剤の効果減退

 

ニンニクには、体に良い成分が多く含まれています。その代表的な効果が「強壮強精力」“スコルニジン”と呼ばれる成分が、時にその旺盛な新陳代謝作用により、疲労回復に大きな効果を及ぼしたり、その働きが食欲を刺激して食欲不振を払しょくする効果もあります。

ほかにも、風邪や結核、冷え性、不眠症、かっけ、神経痛筋肉痛、動脈硬化・高血圧予防など、その効果は多岐にわたります。そのため、ニンニクの成分を凝縮させたニンニクエキスは、当然のように多くのサプリメントに含まれています。

しかし、ニンニク成分により誘導された薬物代謝酵素が、抗ウィルス剤サキナビルの分解を促進させてしまうのです。それによって、サキナビル自体の効果が弱まる傾向があります。

サキナビル服用時には、ニンニクエキスをはじめとした、ニンニク成分が含まれた食品・サプリメントの摂取を控えたほうがいいでしょう。

 

間違った医療品とサプリメント組み合わせ服用事例 そのほか一覧表

 

サプリメント・・・グァバ葉ポリフェノール

医薬品・・・糖尿病治療薬(αグルコシダーゼ阻害剤)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・低血糖の恐れ 腹部膨満感

 

サプリメント・・・ビタミンAを含有する健康食品

医薬品・・・抗生物質(テトラサイクリン)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・薬物誘起頭蓋内高血圧(激しい頭痛)

 

サプリメント・・・カルシウム補給を目的とする健康食品

医薬品・・・骨粗鬆症治療薬(エチドロン酸ニナトニウム・アレンドロン酸ナトリウム水和物)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・骨そしょう症治療薬の効果が滅弱

 

サプリメント・・・食物繊維成分(ポリデキストロース・サイリウム種皮・難消化剤デキストリン・グアーガム分解物・小麦ふすま・低分子化アルギン酸ナトリウム)

医薬品・・・強心剤(ジゴキシン)・鉄剤

両者の飲み合わせによる悪影響・・・ジゴキシンの吸収が遅れる可能性、鉄分の吸収が抑制される

 

サプリメント・・・鉄分補給を目的とする健康食品

医薬品・・・骨粗鬆症治療薬(エチドロン酸二ナトリウム・アレンドロン酸ナトリウム水和物)・甲状腺ホルモン剤(レボチロキシンナトリウム)・セフェム系抗生物質(セフジニル)・テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン・ミノサイクリン・ドキシサイクリンなど)・ニューキノロン系抗菌薬(エノキサシン・オフロキサシン・ガチフロキサシンなど)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・薬剤の吸収阻害・低下 

 

サプリメント・・・ビタミンC補給を目的とする健康食品

医薬品・・・炭酸脱水酵素抑制剤(アセタゾラミド)・鉄排泄剤(デフェロキサミン)

両者の飲み合わせによる悪影響・・・大量摂取で尿路結石(アセタゾラミド)・心機能低下(デフェロキサミン)

 

次回はこのようなサプリメント市場の様々な問題についてお話していきたいと思います。

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