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サプリメントの問題を解決する「メディカルサプリ」って?

 

 

前回までご紹介してきたサプリメントと医薬品の組み合わせによる悪影響も、元をただせば、日本におけるサプリメント市場の様々な問題によるところが大きいのです。

 

サプリメント市場の現状・問題点

1.データ、エビデンス不足

2.消費者が自分に何が必要か分からない

3.保険の適用外

4.代替医療(体質の底上げ治療)が欧米に比べると20年以上?遅れている

5.サプリメントを適切に処方できる人が少ない

 

一般的にサプリメントは、ヒト臨床試験が行われることは少ないため、データ、エビデンス不足に関する問題が生じます。医薬品ほど利益がないので、コストを下げるため、検証をせず、データがないまま販売していることも多いのです。また、サプリメントは、医薬品と違い保険がききません。薬に比べ、より高いお金を出して手に入れる必要があります。

さらに、4と5からもわかるように、日本ではサプリメントに関する情報が不足しています。例えば、アメリカでは事前に専用の検査をした上で、本当に必要なサプリメントを摂取しています。しかし日本人には、医療とは別の健康産業のものと認識されているのです。

このように、日本は欧米諸国と比べると、サプリメントを適切に処方し、そして適切に摂取できる環境にないことが一番の問題なのです。

今の日本に必要なのは、「メディカルサプリ」という制度です。専門的な見地からサプリメントの効果を検証した上で、医薬品基準のレベルで製造されたサプリメントのことで、アメリカでは、病気予防やアンチエイジング、治療法として広く普及しています。

メディカルサプリでまず重要になるのは、一人一人の栄養状態をチェックすることです。本当に必要な栄養素は一人一人違いますから、まずその人の状態を具体的に把握する必要があります。そのための検査は「サプリメントドッグ」と呼ばれています。検査項目を表にまとめましたので、具体的な内容は、表をご確認ください。

 

このように、事細かに検査することで、一人一人の栄養状態を明らかにし、その上でその方に対して必要な栄養素を含んだサプリメントを処方していくわけです。処方目的には、大きく分けて3つあります。

 

サプリメントの処方目的

1.老化制御のために誰にでも必要なもの

2.血液検査や毛髪検査など、必要なサプリメントを選ぶための特殊な検査の結果に応じて処方するもの

3.症状や病気に応じて処方するもの

 

1は、活性酸素の除去、エネルギー代謝効率を上げる、もしくは有害物質がたまらないようにするものです。いわゆる「デトックス効果」を期待して処方します。老化制御のために、誰もが必要なサプリです。

2の検査は、患者の体内にあるミネラル量を測定し、足りなければサプリメントによる補充が必要です。しかし、食事によって十分な量が確保されていれば、必要ありません。

むしろ、ミネラルをとり過ぎると、体に弊害をもたらすこともあります。理想は食事によって補充されることですが、足りないものだけはサプリメントによって処方します。
3の場合は、医学的に証明されているもの、データがあるサプリメントを処方することが目的です。サプリメントを正しく選ぶ基準は、広告や友人の勧めではなく、医学的根拠に基づいた検査と症状に対する治療的効果に尽きます。

サプリメントは単なる栄養補給ではなく、体質改善治療のための重要な手段なのです。

 

高島クリニックでのメディカルサプリ実践ケース

 

 私のクリニックでも、実際にメディカルサプリによる治療を実践しています。

まず、先ほど紹介した3つの要素(1.老化制御のために誰にでも必要なもの、2.血液検査や毛髪検査など、必要なサプリメントを選ぶための特殊な検査の結果に応じて処方するもの、3.症状や病気に応じて処方するもの)の分類の通りに、オーダーメイドでその方に合ったサプリメントを処方していきます。

まずは、毛髪のミネラル検査や栄養素の過不足を血液検査などによりチェックします。

例えば、見本にある方の場合ですと、「有害ミネラル」であるカドミウムや鉛、砒素、アルミニウムの数値が高いため、これらの数値を下げる必要があることがわかります。

また、次の「必須ミネラル」に関しては、マグネシウムやカルシウムが不足している一方、逆に、ナトリウムやマンガン、鉄、亜鉛などは十分あることがわかるでしょう。

このような検査の結果、不足しているミネラルをバランスよく含んだサプリメントを処方します。

 

次回のブログでは、私が処方しているサプリメントをご紹介いたします!

 

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